SSブログ

大山倍達:思い込みの力とカリスマ性 ―前編― [芸スポ]

【スポンサーリンク】




(そうだ。ビール瓶を切ろう!)

これは、とある空手の師範の話である。


10photo07.jpg



(まじか!?)


それは偶然起こった。


「・・・・・・・・・・・・・・」


大山は首の部分が切れたビール瓶を前に、いまだに信じられないという面持ちで
口をあんぐりとあけていた。


たまたま調子がいいときに、思い付きで挑戦してみたビール瓶切り。
まさか、こんなにもたやすく成功してしまうとは...


「・・・・・・・・・・・・・・」


ようやく自分が成し遂げた偉業に現実感が追いついたとき、大山の体は歓喜に打ち震えていた。


「ィヨッッシャアァァ!!」


その日はもう稽古どころではない。
一日中、小躍りしていた。


しかし、所詮は偶然の産物である。
その後の成功率は、絶望的に低かった。
たぶん1パーとか、そんなもん。


「・・・・・・・・・・・・・・」


(こんな未完成な技、とても門下生の前では披露できんな。失敗したら恥ずかしいし...)



喜びも束の間、大山は「伝説のビール瓶切り」を封印したのであった。



【スポンサーリンク】








↓↓↓↓


少し時がたった頃。


「先生っ。ビール瓶を手刀で切ったというのは本当ですか!?」


噂を聞きつけた門下生たちがどっと押し寄せてくるではないか!


「・・・・・・ええ、まぁ。」


突然の思いがけない質問に内心ドキっとしながらも、なんとか表情だけは威厳を保つ大山。

(どっからその情報もれたンだよっ!!)


そんな大山の動揺を知る由もない門下生たちの波状攻撃は続く。


「いつ成功したんですか?」

―「1か月前くらい。かな」


「なぜ教えてくださらなかったのですか?」

―「自分の技が一番拓けるのは、稽古に夢中になって、
頭の中が空になったときである。教えることすら忘れるほどの境地にいたのだ」


「どうすれば私たちもビール瓶を切れるようになりますか?」

―「一に力。二に速さ。三に技。わかるかな。ちょっとお前らにはまだ早いかもな」


「もう少し具体的にお願いします!」

―「継続は力なり。神技に達することは、その神技自体よりも、
その過程が、人間にとって大切なのだ」


(もうヤメて!!)

尻汗をかきながらそれらしい答えで門下生の猛攻撃をさばく大山。
自分は常に門下生たちの希望でなければならない。
彼を必死にさせる理由はそれだけで十分だった。


まだ納得できていないという顔の門下生たちに、大山は最後の道しるべを提示する。


後半へ続く。⇒大山倍達:思い込みの力とカリスマ性 ―後編―





関連記事
大山倍達:思い込みの力とカリスマ性 ―後編―

大倉洋一(ジョニー大倉)さんと在日の著名人たち


【スポンサーリンク】



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。